『思緋の色』

前に戻る | 目次に戻る | トップに戻る

  特別編2 「あかねとコタローの王都学園放送局」  

『『思緋の色!』』
『あかねと!』
『コタローの!』
『『王都学園放送局!』』
『時刻は21時30分になりました。皆さんこんばんは、桜木あかねだよぅ』
『皆さんこんばんは、草薙小太郎です。はい、今回も始まりましたあかねとコタローの王都学園放送局。都合により通常より30分遅れの放送となりました。なので、いつものコーナーなどをカットしてお送りします。ごめんなさい!』
『ごめんね!』
『さて、どんな番組かというと小説「思緋の色」を応援する番組です』
『どんな作品かというと、主人公草薙小太郎の家に突然やってきた少女桜木あかねによって繰り広げられるドタバタ物語だよ』
『毎週生放送でお送りしています「あかねとコタローの王都学園放送局」、今日で第27回目、3クール目に突入です!』
『でも、今日って通常放送時間より短い放送だよね』
『それは放送上の都合で仕方ないよ』
『そっか。じゃあ改めて、すごーい! やったね、コタローくん!』
『……。うん、まさかここまで続くなんて思っていなかったよ』
『2人の愛の力だねぇ』
『リスナーの皆さんのおかげだね。って、痛いよ! なんでいきなり足踏むの? わかってるよ、ツッコミもなしにスルーしたのが許せなかったんだよね? だって毎回それに付き合ってたらきりがないもん!』
『違うもん! 本気だもん! 本気だもん本気だもん本気だもん!』
『ああっもう! うるさいうるさいうるさい! って痛い痛い痛い! ごめんなさい、本当にごめんなさい! ちょっとスタッフさんも笑って見てないで止めてよ!』
『クスッ、お約束だよぅ』
『何がお約束だよ! こういうことを毎回やっているからきりがないって言っているんだよ!』
『コタローくんはすぐにそうやって面倒だなって顔するのはよしたほうがいいよ? その顔を見たらリスナーの人が聴くのをやめちゃうよ?』
『そんな顔してないし、ラジオなのになんで顔映るのさ!』
『もうコタローくんは男の子なのに細か過ぎだよぅ。そんなんじゃ将来結婚する人が困っちゃうよ?』
『ああっもう! なんで困るのは私なんだからねって顔してるの? ほらそこでなんで顔を赤くするんだよ!』
『それは置いといて』
『置いといて?』
『「思緋の色」私とコタローくんの再会した4月8日の話が終わったね』
『うん、終わったね』
『これからどんなことが起こるんだろうね?』
『そうだね、どんなことが起きるんだろうね。まあ、あの再会した日からもう随分経っているけど、いろんなことがあったし、これからも起きるんだろうけど、せめていい方向で行って欲しいね』
『では早速今夜の1曲目、只今JHKで放送中の超人気アニメ「魔法少女アリス」の新OPで私桜木あかねが歌う「桜色に染まる空」! どうぞ!』


『改めましてこんばんは、桜木あかねだよぅ』
『改めましてこんばんは、草薙小太郎です!』
『ねえ、コタローくん』
『何?』
『曲が流れている間に話していた私たちの子供の名前どうしよっか?』
『いや、そんな話してないでしょ!? リスナーの人には曲が流れている間の僕たちの会話がわからないんだから変な誤解生んだらどうするの!』
『最後まで突き通せばそれが誤解じゃなくなるよ?』
『突き通さないので変な誤解になるよ』
『それでは早速ふつおたを読むねぇ』
『うわっ、無視ですか』
『えっと王都学園生徒名「王都は萌えているか!」さんからだよ。「あかねちゃん、コタロー、こんばんは!」こんばんは!』
『こんばんは!』
『「今度の公開録音の衣装はメイド服がいいのではないだろうか? いや、メイド服しかない! デザインはすでに出来ている! サイズもバッチリだ! 後は着てもらうだけなのだ! それでは失敬するぞ!」とタッキーくんからのふつおたでした!』
『だめだよ、本名出したら! なんのためのペンネームだかわからないじゃん!』
『エヘ』
『エヘじゃないよ! スタッフさんもドンマイとか言わないで!』
『えっと、今度の公開録音は王都学園学園祭で行うんだよね?』
『うん、そうだよ。王都学園学園祭とは、僕たちが通う王都学園で7日間行われる学園祭で、幼等部、初等部、中等部、高等部、大学、大学院の全て参加の大規模な学園祭です。そこで今度の公開録音を行うんだけど、その時の衣装を何にするか募集していたんだよね』
『それでタッキーくんはメイド服がいいっていうことなんだよね?』
『だから、本名出しちゃだめだって! ちなみに公開録音は2日目の第3講堂で13時から行います。皆さん来てくださいね』
『来てねぇ!』
『ここで1曲お聴きください! 「王都学園学園祭のテーマ」です、どうぞ!』


『もう! コタローくんの分からず屋!』
『だめだよ、あかねちゃん! 曲が終わってるんだからその話はやめようよ!』
『やめないもん! コタローくんが青葉先輩を誘うっていうのをやめるって言わない限りやめないもん!』
『だぁもう、まだ本人へ言ってないのに公共の電波で何言っているの、あんたは!』
『コタローくんの浮気者!』
『付き合ってもいないのに浮気者もないでしょうが!』
『じゃあ、あの夜のこと、ばらっしゃうよ?』
『あの夜ってなんだよ! また誤解を招くようなこと言わないでよ!』
『ひどいひどいひどい!』
『痛い痛い痛い! もう、このままじゃ足が潰れて歩けなくなっちゃうじゃないか!』
『それでは、このコーナーにいってみようね!』
『ちょっ、足を踏み潰したままいかないでよ!』
『シンクロ率を上げろ!』
『ああっもう! コーナータイトルは声を揃えて言わなきゃだめじゃん! はい、このコーナーは出されたお題から想像する言葉を一致させて2人のシンクロ率を上げるというコーナーです。シンクロ率100%になると、番組から僕とあかねちゃんにプレゼントがあるそうです。一体なんだろうね?』
『新婚旅行のプレゼントとか?』
『それはないね、痛い痛い痛い! もう、踏みつけるだけじゃなくぐりぐりしないで!』
『コタローくんが悪いんだもん!』
『ああっそうですね、そうですよ! はい、一致すると5%アップ、外れると1%ダウンというシンクロ率が上がりやすい設定になっています。現在のシンクロ率は0%です。1度も揃ったことがないです。相性が悪いってことだよね、ふふふ』
『ちがうもん! こういうのは合わないほうがいいんだもん!』
『物は言いようだにゃあああ! だから、足踏まないでって!』
『では、今回のテーマの発表だよぅ。今回のテーマは「チキンラーメン」だよ!』
『「チキンラーメン」か……。でも、なんで「チキンラーメン」なの?』
『お題を出してくれた龍天さんが今食べているからだって』
『えっ、あっ、本当だ、食べてる! 本番中なのに一人だけ食べてるよ! なんで周りのスタッフさんは、どうぞ、あいつには構わず食べていてください、とか言っているの!? だめでしょ、食べてちゃ! 今生放送本番中なんだよ!? それと、なんで伸びてベビースター化しているとか言って、みんなで笑っているの! ああっもうあかねちゃんまで笑って、みんな真面目にやろうよ! 放送事故起こしちゃうよ!』
『もうコタローくんったら面白くないの? ベビースター化だって、ふふふ』
『それより早くコーナーを進めるよ! じゃあ、同時で言うからね? せーの!』
『生卵!』『広い!』
『…………』『…………』
『もう、コタローくんは合わせるつもりがないんじゃないの? だめだよ? これは合わせるコーナーなのに』
『ちょっと待ってよ! なんで僕が悪いみたいに言って頬を膨らませているのさ! それに「広い!」って何さ、「広い!」って!』
『最初にね、生卵って思ったの。でも、それじゃあ、コタローくんのずば抜けた感性についていけないと思ったんだもん』
『なんでそこでやめておかなかったのさ』
『だから、コタローくんのずば抜けた感性についていけないと思ったんだもん! それで、チキンと生卵で親子丼? 親子揃って空を飛べたらいいな。ん、空? 広いよねって思って、「広い!」って答えたの。これならコタローくんの感性にもついていけているって』
『いや、飛びすぎだよ、あかねちゃん。それに鶏は空を飛ばないでしょ。最初のでよかったのに。ええっと、そういうわけで今回も揃わず、シンクロ率は0%のままです』
『残念だね』
『別に……いや、はい、残念で仕方ありません(だから、足をぐりぐりやらないで)』
『それでは、ここで1曲聴いてね! 現在JHKで超人気放送中のアニメ「創世神アナザーへヴン」の新EDで「創世の刻」だよ、どうぞ!』


『思緋の色! あかねとコタローの王都学園放送局。そろそろお別れの時間が近づいてきました』
『コタローくん、今日の感想と反省だって』
『感想と反省か。うん、感想はいつも思うけどあっという間だったね』
『だって今日は放送時間が短かったしね』
『いや、まあ、そうなんだけど。生放送は本当に緊張しっぱなしだよ。反省は特になし』
『私はね、龍天さんのベビースター化の話が面白かったかな。私も反省はなし』
『いや、反省だらけでしょう、がぁ!』
『もうコタローくんは冗談ばっかし、クスッ』
『ああっ結局毎回おんなじノリになるんだな』
『さて来週はゲストにあのお方をお呼びするよぅ。誰だかは来週までお楽しみに!』
『ということで、このお時間のお相手は草薙小太郎と』
『桜木あかねでした!』
『『また来週! ばいばーい!』』
前に戻る | 目次に戻る | トップに戻る | 掲示板へ | web拍手を送る
Copyright (c) 2005 Signal All rights reserved.
  inserted by FC2 system